「あなたの歯は残せません」そう言われたら?


欠損補綴(けっそんほてつ)ってなに?

『補綴(ほてつ)』という言葉、聞きなれない方も多いのではないでしょうか。

歯科治療における補綴とは、歯が欠けたり、なくなった場合にクラウンや入れ歯などの人工物で補うことをいいます。古くは、紀元前2000〜1000年のエトルリア人の墓地から発掘された入れ歯があります。日本でも、奈良時代から入れ歯があったといわれていますので、昔から行われてきた治療法といえます。

今回はその補綴の中でも、例えば、ムシ歯や歯周病、かみ合わせが原因で失ってしまった歯を補うための『欠損補綴』についてみていきたいと思います。

<目次> 

治療方法は大きく分けて3つ:ブリッジ/入れ歯/インプラント

1.ブリッジについて
治療のステップ
費用
2.義歯(入れ歯)について
(1)部分床義歯(部分入れ歯)
(2)全部床義歯(総入れ歯)
治療のステップ
費用
3.インプラントについて
治療のステップ
費用 

治療方法は大きく分けて3つ:ブリッジ/入れ歯/インプラント

もしあなたが「この歯は残すことができません」「抜くしかありません」と言われ、抜歯することになったとしたら。あなたの歯を補う方法は、大きく分けて3つです。
それは、

・ブリッジ
・義歯(入れ歯)
・インプラント


です。この中の1つ、あるいはこれらを組み合わせて、失った歯の機能を補っていくことになります。

どうか、歯が抜けたまま放置しないでください(外部サイト)

こちらでもご紹介している通り、例え歯を抜かなければならなくなったとしても、「抜けたまま」の状態で放置することは、決してしないで下さい。

長い時間放置し続けると、他の歯を失うことにもなりかねません。

歯を失った際には、これらの3つの中からご自身に合った治療をできるだけ早く受けられることをお勧めします。

1.ブリッジについて


1~2本の歯を失ったら。

歯が1~2本なくなった場合、なくなった両隣の歯がしっかりしている時に、両隣の歯を支えとして人工の歯を橋のように架けるものをブリッジといいます。
歯の根(歯根)がしっかりしていれば、歯根に土台(金属などで作製します)をたてて、冠をかぶせるために型をとり、ブリッジを造ってセメントでつけます。

治療のステップ

①口腔内の型取り、ブリッジの設計
②両隣の歯を削る。仮歯の作製
③型取り、かみ合わせの位置の記録
④ブリッジの完成、装着

複雑な場合や歯の形態、色調を検討する場合は、ステップが追加で必要となります。
ムシ歯や歯周病の進行状態によっては、ブリッジができない場合があります。


治療費

ブリッジの治療には、保険診療と保険が適応されない保険外診療があります。
保険診療の場合には、保険で決められている材料を使用します。保険外診療の場合には、そのような制限はありません。例えば、歯の色をつくる材料としては、保険で樹脂材料(コンポジットレジン)を用いますが、保険外ではセラミックを用いることができます。


2.義歯(入れ歯)について


複数~全ての歯を失った方へ。

残存歯の有無で、部分床義歯(部分入れ歯)と全部床義歯(総入れ歯)に分けられます。


(1)部分床義歯(部分入れ歯)


「複数本なくなった歯やなくなった骨の一部を補い、形態や見た目の不良を回復するための入れ歯」

部分入れ歯は、生まれつき歯が少なくて隙間が広く開いていたり、ムシ歯や歯周病、あるいは事故、手術などで歯や骨の一部がなくなった場合、そのなくなったところを補う装置のことです。これによって、形態や見た目の不良を回復し、食事やしゃべりやすさを改善します。


(2)全部床義歯(総入れ歯)


「上顎または下顎の歯をすべて失った場合の入れ歯」

人間の歯は、智歯(親知らず)を含めると、上下左右全部で32本の歯があります。これらが何らかの原因で抜けていき、歯が一本もない人を無歯顎者呼びウます。


治療のステップ


① 口腔内診査、医療面接
② 印象採得、型取り
③ 咬合採得、かみ合わせの位置の記録
④ 試適
⑤ 完成、装着

治療費

保険診療と保険が適応されない保険外診療があります。
保険診療の場合には、入れ歯の大部分を構成する「レジン床」と呼ばれるプラスチックの樹脂の種類、または歯の欠損数によっても費用は異なります。
保険外適用では、入れ歯の大部分を構成する部分が、金属(チタンなど)になります。

複雑な場合や残存歯・顎骨の状態を検討する場合は、ステップが追加で必要となります。
ムシ歯や歯周病の進行状態によっては、まずその治療を先に行ってから行う場合があります。


3.インプラントについて


金属を埋め込んだ人工歯根の上に人工の歯をつくります。

人工歯根とも呼ばれ、歯がなくなったところ骨に主にチタンなどの金属を埋め込み、その上に人口の歯を作る方法です。インプラントの埋め込みには外科手術が、また骨としっかりくっつくためには期間が必要です。顎の骨の量が十分にあること、骨の質に問題がないことが前提になります。


治療のステップ


① 口腔内診査、医療面接
② CT撮影検査(顎骨の量、質を見るため)
③ 一次手術
④ オッセオインテグレーションの期間
⑤ 二次手術
⑥ 個人トレー作製
⑦ 印象採得
⑧ 咬合採得
⑨ テンポラリーアバットメント装着
⑩ かみ合わせ、清掃性、形態の確認
⑪ 最終補綴装置の作製
⑫ 最終補綴装置の装着


治療費


保険外診療になります。

最後に

次回の豆知識ブログでは、

「入れ歯」と「インプラント」を組み合わせた、
「インプラントオーバーデンチャー」という治療法についてご紹介させていただきます。

そちらもご参考にしていただき、ご自身に合った治療法決めていただければと思います。


根管治療

むし歯が進行すると、歯の内部で細菌感染を起こします。これにより歯の神経が蝕まれたり、歯の根っこに膿を生じたりします。
・強い歯の痛みを我慢していませんか?
・歯茎が腫れたり、膿が出てくることはありませんか?
今回は、歯の根っこの治療「根管治療」についてご紹介します。

-目次-
1.根管治療がになるとき
2.根っこのお掃除=神経や膿を除去すること
3.やまむら歯科の根管治療

1.根っこの治療が必要になるとき

vol.1「歯の構造について」でもご紹介している通り、歯には「根っこ」があります。歯茎の中に埋まって見えないところですが、根っこの中には細い管が通っており、その中には神経や血液、栄養などが走っています。

この歯の根っこの内部を治療しなければいけないケースは、大きく分けると2つあります。

(1)むし歯が進み、歯の中の神経まで細菌感染が起きている場合


(2)過去に根の治療がしてあって、再び細菌感染し根の先端に膿を作っている場合

このいずれかの場合です。

(1)虫歯により歯の中の神経まで細菌感染が起きている場合

むし歯は、歯の表面を覆うエナメル質から段々中の層にまで広がっていきます。むし歯の細菌が神経にまで到達すると、むし歯を取り除いたとしても神経の中に細菌感染が残ったままになります。

その場合、強い痛みが残ったり細菌感染が広がっていく可能性があるため、細菌感染した神経を取る処置が必要となります。

(2)過去に根の治療がしてあって、根の中で再度細菌感染し根の先に膿を作っている場合

何らかの理由で再び根の中に細菌感染が起きてしまうことがあります。そして、細菌が根の先から飛び出し、根の先で膿を作ることがあります。

この膿を放っておくと次第に大きくなり痛みや歯茎の腫れにつながってくることがあります。また、膿は独特のニオイを持つので、口臭の原因にもなります。

2.根っこのお掃除=神経や膿を除去すること

歯の神経・歯の根っこに細菌感染があると診断されたら、原因を除去する必要があります。根の中の細菌を取り除くためには、根の中をファイルと呼ばれる細い針のような器具や殺菌消毒薬を用いながら確実に細菌をとっていきます。

お口を長い時間開けていただく必要があるため、できるだけ患者様がつらく無いように、適度に休憩をはさみながら治療を進めていきます。


よく患者さまから「抗菌薬を飲めば治らないのか?」と質問されるのですが、症状がある場合は薬で一時的に落ち着かせることは可能ですが、残念ながら治すことはできません。

抗菌薬は飲むと血液中に薬効成分が行き渡ります。膿の周りは骨があり細かい血管もたくさん走っているので一時的には効果があります。

しかし神経がとってある歯だと根の中の血管も一緒に取れるので、血流は根の中にありません。したがって抗菌薬を飲んでも膿の原因である根の中の細菌を取り除くことはできないのです。

3.やまむら歯科の根管治療

根管治療で膿だけを直接取れたとしても、膿の原因である根の中の細菌が残っていれば膿は再発します。お口の中には細菌がたくさんいます。だ液の中はもちろん、お口の中には霧状になった細菌がたくさん存在しているのです。治療の際に最も大切なことはそういった細菌を歯の根の中に入れないことなのです。

やまむら歯科では細菌が入らないような工夫(ラバーダム治療)をしながら根の治療を行なっております。ラバーダムは、治療する歯をお口の中の細菌から隔離する方法であり、根管治療の成功率を高めると言われています。また、歯を削った破片や、小さな治療器具などの誤飲なども防ぐことができ、安全・安心の治療を提供することが出来るのです。


歯を失ってしまうには原因があります。あなたは大丈夫ですか?

歯を失う原因は、実は虫歯だけではありません。代表的なところで言えば、「歯周病」は歯を失う原因の1位とされています。それ以外にも生活の中で歯を失うリスクがあるのをご存知でしょうか。今回は、あまりしられていない「歯を失う内的要因・外的要因」についてご説明します。

歯を失う原因とは?

-目次-
1.プラーク(酸)
2.非機能的な力
3.咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)のズレ
4.アクシデント
5.前医(善意)の過失


⑴プラーク(酸)

「プラーク」とは「歯垢」のことで、食べカスと唾液が混じりあって歯の表面に付着し、その塊りの中に口腔内の細菌が住み着いているものです。

細菌の数は1mg中に数億もの数が存在し、食べカスを栄養源として増殖します。そして、細菌(主にミュータンス菌)が食事として摂取しているものが「糖分」です。糖分を分解(代謝)した結果、代謝産物として「酸」が分泌されます。

これが「プラーク(酸)」です。

この酸が歯を溶かしてカルシウやリンを溶出させ歯は虫歯(う蝕歯)となります。
この溶けて(細菌感染)しまった範囲が小さければ、虫歯の治療をして、再度歯を使う事が出来るのですが、範囲が大きくなりすぎた場合は、歯として使う事が出来ないため、抜歯の対象となります。

また、この細菌から身を守るために自身の歯周組織(歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨)が溶ける事で逃げます。これが歯周病(歯周炎)です。
この歯周病が、著しく進行すると抜歯の対象となります。

⑵非機能的な力

歯の機能とは「咀嚼」「嚥下」「発音(発語)」の事です
非機能的な力とは、この3つの機能以外にかかる力の事を指します。
例えば、ブラキシズムが挙げられます

ブラキシズム

①睡眠時ブラキシズム
睡眠時の歯ぎしりや、食いしばりの事です。普段、起きて生活している状態と違って、無意識下で行われ、その力の制御をする事が困難で、とても過大な力が発生しています。また、睡眠時ブラキシズムは多因子性であり、ストレス、性格、遺伝、セロトニン再取り込み阻害薬の服薬、飲酒、喫煙、特定の疾患(脳性麻痺などの中枢神経系の障害、睡眠呼吸障害)など、様々な因子が関与していることが報告されています。

②覚醒時ブラキシズム
睡眠時と同様にストレスなどの様々な因子が関連してくる可能性がありますが、睡眠時と違って無意識ばかりでなく意識下でも行われているため、習癖に気をつける事で是正も可能です。

⑶咬頭嵌合位のズレ


正しく噛み合わせることで、力が分散されます。

咬頭嵌合位とは、上下顎の咬合面が最大面積で接触している状態。
「咬頭嵌合位のズレ」は、何らかの原因で歯の全体又は一部を失ったり、一部の矯正治療などによって歯の接触状態が変化してしまう事で生じます。
このズレが起こると、歯に余計な力がかかります。結果耐えきれずに歯を失う事があります。

⑷アクシデント

交通事故やスポーツなどの予期せぬ出来事で失われてしまう事です。

⑸前医(善意)の過失

前の歯科医院が良かれと思って行った治療が、結果として歯の寿命を縮めてしまい、歯として使えなくなってしまった事です。