あなたは、こんなお悩みはございませんか?

  • 歯が黒くなっている
  • 冷たいものがしみる
  • ズキズキする

これらの症状がある場合、もしかしたらそれはカリエス(むし歯)かもしれません。

カリエスとは、口腔内の細菌が糖質から作った酸により、歯が脱灰(溶かされる)されることにより起こる歯の実質欠損です。

この欠損が大きくなる事で歯を失うことになってしまう事もあります。

カリエスは、かぜなどの病気とは違い自然には治りません。進行したカリエスは、それ以上に範囲を広げないために削りとる必要があります。

ところでカリエス(むし歯)はなぜ発生するのでしょうか?

カリエスは

①歯垢(細菌)
②糖分(虫歯菌の栄養になる食物)
③歯質

が組み合わさって発生します。これらの要因が全て揃った時にお口の中で歯が脱灰し始めるのです。


カリエス(むし歯)が発生する原因

つまり、カリエスのリスクを防ぐためには、この3つへアプローチする必要があります。具体的には以下に挙げるような取り組みが必要です。

歯垢(細菌):日々の歯磨きに加えて、自分ではとれない汚れを歯科医院で取り除いてもらいましょう。

糖分:摂取回数を減らしてむし歯菌にエサを与えないようにします。

歯質:フッ素を取り込むことで強化できます。

カリエスは進行範囲によって次のように分類されます。

●C1段階…カリエスがエナメル質に限局

エナメル質は神経支配をうけておらず、自覚症状はまだありません。

初期の段階で、歯の表面が脱灰を疑わせる白く濁った状態褐色斑の認められる実質欠損が見られないカリエスであれば、再石灰化現象(初期カリエス病巣への唾液由来のミネラル沈着現象)による自然治癒が可能です。

実質欠損がある場合は治療が必要となってきます。多くはコンポジットレジン(白いプラスチック)を詰める治療です。神経支配がないので麻酔もいらない場合の方が多いです(もちろん、心配でしたら麻酔もします)。


自覚症状の無いむし歯の初期段階。

●C2段階…カリエスが象牙質に進行

象牙質には歯髄(歯の神経)までつながる管(象牙細管)があるため、しみるようになってきます。

この時点で治療(コンポジットレジン修復、インレー修復など)をすれば、神経を取らずにすみます。一刻も早く治療をしましょう。

C2といってもC1に近いものもあれば、次に説明するC3(カリエスが歯髄に進行)に近いものもあります。C3に近い場合は、コンポジットレジン、インレーを入れた後も痛みやしみが残ってしまう場合もあります。その時は、残念ながら神経を取らなければならないこともあります。


ここでいかに早く治療を始めるかが重要です。

●C3…カリエスが歯髄(歯の神経)に進行

冷たいものだけでなく、温かいものや甘いものでもしみてしまい、何もしていなくても激しい痛みが出ます。

ここまで進行してしまうと、神経を取らざるを得ません。神経がなくなると、歯は脆く欠けやすくなってしまいます。


むし歯が神経に達し、強い痛みを伴う段階。

●C4…歯根だけが残っている状態

カリエスが進行したことにより歯髄(歯の神経)が死んでしまい、冷たいものや温かいものがしみることはありません

しかし、放置していると歯根の先端部周囲組織に炎症が起きて強い痛みが発生し、腫れることもあります。また、これは口臭の原因にもなります。

神経の治療が出来ない場合には、歯を抜かなければいけません。抜歯した部分には、ブリッジや義歯(入れ歯)、インプラントなど失った歯の代わりになるものが必要となります。


「むし歯だけど痛みが無い」はキケンな状態かもしれません。

中には歯が痛くなってから歯科医院に初めて来院される患者さんがみられますが、その時にはもうすでに手遅れとなって歯の神経をとったり、歯を抜かなければならない状況になってしまっていることが多いです。
カリエスの治療は『早期発見、即時処置』が大切です!今お口の症状がなくても1度お口の中の状態を確認しにやまむら歯科に来てチェックをしてみませんか?(目で見るだけでなく、レントゲンを撮影することでカリエスの発見、範囲の確認をすることができます。)

最後に:「見えないカリエス」の恐怖

カリエスは上から見ると小さくても、表面のエナメル質の下の象牙質では広がっています。それは、エナメル質が人間の体の中で最も硬い組織なのに比べて、象牙質は柔らかく浸食を受けやすいからです。(う蝕円錐)

パッと見ただけでは小さなカリエスに見えるものが、実はエナメル質の下で大きく進行していることもあるので自分でC1だと判断してしまうのは危険です。


セルフチェックと、定期的な医療機関の受診をお勧めします。


歯は大きくわけて歯冠と歯根からなります。

歯の頭の部分を歯冠(しかん)、歯の根っこの部分を歯根(しこん)といいます。

次に歯の組織についてお話します。歯はエナメル質、象牙質、歯髄、セメント質という4つの組織からなります。そして歯のまわりには歯根膜、歯槽骨、歯肉という組織があります。

エナメル質

エナメル質は歯の一番外にある組織です。なので今もし歯を触ったならおそらくそれはエナメル質を触っています。(お口の中が健康な状態でなければ他の組織のこともあります。)また、エナメル質の特徴は硬いことです。人体の硬組織の中でも硬く、そのためむし歯の治療などで歯を削る時はダイヤモンドの結晶を含んだ切削器具を使っています。(ダイヤモンドの硬さを10とするとエナメル質は6から7くらいの硬さです。)
その他の特徴としては、歯が萌出した後は唾液からカルシウムやフッ素の供給を受けて表層のほうがより硬い性質を持ちます。
また、エナメル質には神経や血管はないためむし歯になっても痛みを感じずに気づかないこともあります。

象牙質

象牙質はエナメル質、歯髄、セメント質と隣あっています。
エナメル質より柔らかく硬さは4から5です。硬さはエナメル質に劣りますが、その分弾力性に富んでいます。
象牙質には象牙細管という管が無数にあります。その管は歯髄側からエナメル質まで貫通しています。そのため刺激が加わると歯髄まで刺激が伝わり痛みを感じることがあります。よく聞く知覚過敏(象牙質知覚過敏症)とは象牙質が露出しているために外から刺激が伝わり痛みを感じることによりおこります。

歯髄

歯髄は歯に加わる温度的、化学的な刺激を痛みとして感じるものです。歯髄は血管と神経、リンパ管を含んでいます。歯髄の血管から栄養供給や象牙質からの刺激を痛みとして受け取っています。また生体の防御反応も行っています。

セメント質

セメント質は歯根(歯の根っこ)を覆うように存在する骨のような硬組織です

歯根膜

歯根膜とは歯と顎の骨の間に存在する線維のことをさします。
咬合力(咬む力)の大きさを調節してくれたり、歯を触ったり押したりした時にこの歯根膜がセンサーとなって私たちに教えてくれるなどさまざまな役割をしてくれる大事な組織です。

線維の厚さは0.1〜0.4mmです。とても細いですよね!

また、この歯根膜は血管と神経を含みます。なのでこの血管を通してまわりの組織へ栄養の供給もしてくれています。

その他に、咬合力などの歯にかかった力を顎の骨に直接伝えるのではなく、歯根膜がクッションの役割をして力を分散させて顎の骨に力を伝えています。ということはとても細い線維の集まりはとても大きな咬合力(体重の約10倍の力がかかることもあります)を一度は受け止めていることになります。繊細なのに力持ちですね!

例えば転んで歯が抜け落ちてしまった場合、“歯をごしごし洗わずに牛乳や生理食塩水につけて早く歯科医院にいって下さい”と言われた事はありませんか?その“ごしごし”洗わないでほしい理由はこの歯根膜なのです!この組織が大切なのでごしごし洗って流れてしまうと元のように戻らないのです。

歯肉

いわゆる歯茎の専門用語が歯肉です。

歯槽骨

顎の骨の中でも歯のまわりの骨のことを歯槽骨といいます。
先ほど紹介した歯根膜はこの骨の表層に入り込んでおり、骨から簡単に歯が抜けないようにもなっています。