歯は大きくわけて歯冠と歯根からなります。

歯の頭の部分を歯冠(しかん)、歯の根っこの部分を歯根(しこん)といいます。

次に歯の組織についてお話します。歯はエナメル質、象牙質、歯髄、セメント質という4つの組織からなります。そして歯のまわりには歯根膜、歯槽骨、歯肉という組織があります。

エナメル質

エナメル質は歯の一番外にある組織です。なので今もし歯を触ったならおそらくそれはエナメル質を触っています。(お口の中が健康な状態でなければ他の組織のこともあります。)また、エナメル質の特徴は硬いことです。人体の硬組織の中でも硬く、そのためむし歯の治療などで歯を削る時はダイヤモンドの結晶を含んだ切削器具を使っています。(ダイヤモンドの硬さを10とするとエナメル質は6から7くらいの硬さです。)
その他の特徴としては、歯が萌出した後は唾液からカルシウムやフッ素の供給を受けて表層のほうがより硬い性質を持ちます。
また、エナメル質には神経や血管はないためむし歯になっても痛みを感じずに気づかないこともあります。

象牙質

象牙質はエナメル質、歯髄、セメント質と隣あっています。
エナメル質より柔らかく硬さは4から5です。硬さはエナメル質に劣りますが、その分弾力性に富んでいます。
象牙質には象牙細管という管が無数にあります。その管は歯髄側からエナメル質まで貫通しています。そのため刺激が加わると歯髄まで刺激が伝わり痛みを感じることがあります。よく聞く知覚過敏(象牙質知覚過敏症)とは象牙質が露出しているために外から刺激が伝わり痛みを感じることによりおこります。

歯髄

歯髄は歯に加わる温度的、化学的な刺激を痛みとして感じるものです。歯髄は血管と神経、リンパ管を含んでいます。歯髄の血管から栄養供給や象牙質からの刺激を痛みとして受け取っています。また生体の防御反応も行っています。

セメント質

セメント質は歯根(歯の根っこ)を覆うように存在する骨のような硬組織です

歯根膜

歯根膜とは歯と顎の骨の間に存在する線維のことをさします。
咬合力(咬む力)の大きさを調節してくれたり、歯を触ったり押したりした時にこの歯根膜がセンサーとなって私たちに教えてくれるなどさまざまな役割をしてくれる大事な組織です。

線維の厚さは0.1〜0.4mmです。とても細いですよね!

また、この歯根膜は血管と神経を含みます。なのでこの血管を通してまわりの組織へ栄養の供給もしてくれています。

その他に、咬合力などの歯にかかった力を顎の骨に直接伝えるのではなく、歯根膜がクッションの役割をして力を分散させて顎の骨に力を伝えています。ということはとても細い線維の集まりはとても大きな咬合力(体重の約10倍の力がかかることもあります)を一度は受け止めていることになります。繊細なのに力持ちですね!

例えば転んで歯が抜け落ちてしまった場合、“歯をごしごし洗わずに牛乳や生理食塩水につけて早く歯科医院にいって下さい”と言われた事はありませんか?その“ごしごし”洗わないでほしい理由はこの歯根膜なのです!この組織が大切なのでごしごし洗って流れてしまうと元のように戻らないのです。

歯肉

いわゆる歯茎の専門用語が歯肉です。

歯槽骨

顎の骨の中でも歯のまわりの骨のことを歯槽骨といいます。
先ほど紹介した歯根膜はこの骨の表層に入り込んでおり、骨から簡単に歯が抜けないようにもなっています。